太陽の門

この間まで日経新聞に連載されていた「太陽の門」は、赤神諒が作者だが、僕はその名前をまったく知らなかった。

主人公の名前はといえば、映画「カサブランカ」と同じリック。わざと同じ名前にしたのは明らかだ。性格もセリフも似ている(と思う。映画のほうはずいぶん昔に観たきりで、実はよく覚えていない)。

僕にとって無名の作家のこの作品はすこぶる面白いものだった。リックの皮肉っぽい物言いはカッコよく、リックに惹かれる女たちはみな清らかだ。そして、ダメ押しに毎回挿画に打ちのめされる。画家(イラストレーター)は安藤巨樹。この人の名前も知らなかった。

まったく恥ずかしい限り。世の中は才能ある人で溢れているのかもしれない。