2022-03-01から1ヶ月間の記事一覧

小説の惑星 オーシャンラズベリー篇

伊坂幸太郎が面白いと思った短編を集めたとのことだけど、なかにはこのどこが面白いのだろうと悩むものもある。 私が面白かったのは、大江健三郎の「人間の羊」と、もうひとつあって、これは面白いと実は言いにくい、なぜかというと、「へえ?こんなのが面白…

掟上今日子の備忘録

今日子さんは読んでいてキュンとくるけど、ミステリーとしてはそれほどでもないなと読み進めると、第五話(この本の最終話)で俄然面白くなる。が、第五話はミステリーっぽいけれどミステリーではない。ミステリーというのは、ストーリーのどこかにヒントを忍…

プーチンが戦争を始めた

2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。 これまでも世界のどこかではいつも紛争が起きていて、それは気持ちのよいものではないにしろ、自分に直接関係のあることではないような気でいられた。しかし、今回はなぜか不吉な予感がする。それが的外れであって…

新選組の料理人

どう読んだらいいのか悩み悩み読んだけど、最後まで方向性を見つけられなかった。どういうことかというと、例えば表題作の「新選組の料理人」では、火事で逃げた奥さんから連絡がこないのはきっと何か理由があって、それがハッキリしたときに涙を誘う、そん…

残月記

新聞とか雑誌の書評で激賞されていたので買ったのだが、あとで思い起こしてみると、それらはみな大森望が書いていた気がする。大森望という人がどんな人なのか知らないが(たぶん文芸評論家なのだろう)、作者の小田雅久仁という人も全く知らないので、あとで…

短編小説

昔買った小林恭二の短編集を引っ張り出して読んだのは一月以上も前のことで、もともと記憶力が悪い私はその本のだいたい全部を忘れてしまった。覚えているのは、作者の知り合いで俳句の先生か先輩かなんかだった人の話と作者の父親の話の二つだけで、しかも…