2021-01-01から1年間の記事一覧

プラナリア

山本文緒が昨年10月に亡くなったことを知り、文春文庫を買った。 ジャンルで言えば恋愛小説なのだろうけれど、恋愛が主題ではない。性愛小説?でもない。「生きていくこと」への不安がテーマのようだ。これが、「生きていること」への不安がテーマだと重くて…

ヤクルト優勝

ここ数年、プロ野球の地上波放送がなくなったせいもあって、レギュラーシーズンはもちろん、日本シリーズすら見たことがなかった。なんかプロ野球が面白くなくなったからだ。今年は特にメジャーで大谷が大活躍したので、そっちのニュースばかり見ていた。 な…

オミクロン株

ここ数日、ほんのちょっと持っている株がガンガン値下がりし、ついに評価損益がマイナスになった。。なにが起こったのだろうと訝しく思っていたが、どうやらコロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」がいろんな場所で発見されたせいらしい。 なんだ、「…

長い長い殺人

新聞広告に「100万部突破」と謳われた宮部みゆきの文庫。まったく聞いたことのないタイトルだったので、出版社(光文社)のウソ、とは言わないまでも、ほんとうは「うちの出版社の宮部みゆき作品が100万部突破」とかじゃないのだろうかと疑いつつ、TSUTAYAで購…

劇場版鬼滅の刃無限列車編

録画してたのを見た。 言わずと知れた、昨年、日本映画史上最大のヒット作となったアニメである。 原作もテレビ編も見てないので、今回が鬼滅の刃初体験だったのだけど、もうなんちゅうか、ただのお子ちゃま向けマンガ映画でした。 コロナで映画が観れない時…

虚談

京極夏彦の角川文庫。 どの作品も会話のやり取りが面白い。言葉の選択やリズムなどいかにもありそうでいながら、おそらく現実でこんなに面白い会話が成立することはない。言ってみれば、一流の漫才師かコント師が練りに練った会話劇のようである。 「ベンチ…

無月の譜

毎日新聞連載の松浦寿輝の小説が完結した。それほど大きな山場はなく淡々と話が進んでいた印象だが、結構面白く読めた。井筒啓之の挿画も良かった。

世にも奇妙な物語 21秋特別編

TV

「スキップ」「優等生」「ふっかつのじゅもん」「金の卵」の4編で、圧倒的に「優等生」が良くできていた。他の三作は、「才能あり」「凡人」「才能なし」で言えば、全て才能なし。

元彼の遺言状

読みはじめてすぐに、ああ、こんな感じか。マンガ読むつもりで読めばいい、時間潰しの小説だろうと思った。ところが読み進めるとどっこい素晴らしい作品だった、とはならず、最後までマンガ並み(というのがマンガに失礼なくらい)だった。 「このミステリーが…

ある男

平野啓一郎の書いたものは、「日蝕」と「マチネの終わりに」しか読んだことがなく、前者は内容を全く覚えていないが、やけに難しかった記憶があり、後者は中年男女のメロドラマでしかなかった。 今回の「ある男」は僕にはちょうどいい感じの作品だった。難し…

女のいない男たち

この短編集の中の一作(ドライブ・マイ・カー)が映画化されて、カンヌだかヴェネチアで脚本賞を獲ったおかげで、文庫が書店の目立つところに並べてあった。村上春樹の小説は結構読んでいて、たぶんこれも読んだはずだと思って家の本棚をあさってみたけど見つ…

星屑

村山由佳の新聞連載小説が終わった。 少女マンガを小説にしたような作品だった。

ヒトコブラクダ層ぜっと

出だしこそ面白そうな雰囲気があったものの、その後はほぼ盛り上がりに欠けた。どうしたんだ万城目学。「鹿男あをによし」は読んでないけど、ドラマは無茶苦茶面白かったのに。「プリンセス・トヨトミ」は映画は観てないけど、小説は無茶苦茶面白かったのに…

大谷翔平選手に差別発言をした解説者が、無期限の出演停止に。バイアストレーニングを受けると発表(ハフポスト日本版)

大谷翔平選手に差別発言をした解説者が、無期限の出演停止に。バイアストレーニングを受けると発表(ハフポスト日本版) https://news.yahoo.co.jp/articles/921487a4063d8bd5e57d3507d45bd89de6102c11 たぶんだけど、このニュースに出てくる解説者に差別を…

ミチクサ先生

伊集院静が日本経済新聞に連載した小説が22日に終わった。 正岡子規を好きになってしまった。

恋ふらむ鳥は

澤田瞳子の毎日新聞連載小説が先月末に332回で終了。 読みにくくはあったが、まずまず面白かった。

香港のリンゴ日報、26年の歴史に幕 当局圧力で廃刊―「報道の自由」危機的:時事ドットコム

中国は世界の工場であり市場であり経済的には大きな利益を産み出すけれど、失くしたもの、傷つけられたもの、不快に思うもののほうが多くはないか? 少なくとも、得たものが100で失くしたものが100だとすれば、それをプラマイゼロと僕は評価したくない。 香…

鳩の撃退法

ある作家(津田伸一)が書いた小説という体裁になっており、その小説の中の事実とその小説の中で書かれた(そしてその小説の中に出てくる登場人物の何人かに読まれる)小説との区別が分かるところは分かるが、分かりにくくもあって、また、小説の中の事実や小説…

やる気はやり始めてから出てくる。

なんかの本の広告に謳ってあった文句。そういえばそうだなと、妙に納得。 天啓が降りてくるのを待っていたけど、待っててもこないんだやる気。やり始めたらくるんだやる気。けど、やり始めないからこないんだやる気。

エヴァンゲリヲン新劇場版:序と破とQ

シン・エヴァンゲリオン劇場版を観る前のおさらいのつもりで、去年、NHK(なぜNHK!?)でやってたのの録画をまとめて観た。 序はたぶんテレビ版の焼き直しで、テレビ版を知らないエヴァ初心者の導入編。 破は、テレビ版で解決されないままだったいくつかの謎…

スパイの妻

高橋一生が頑張ってて、蒼井優と東出昌大もそれなりに頑張っている。でも、この話、映画じゃなくてテレビドラマにしとくぐらいで十分な気がする。 と、ここで役柄の名前を確認しようとWikipediaを読んだら、あ~ら、この映画はもともとNHKのテレビドラマだっ…

未来少年コナン

TV

録画していた再放送をやっと見終えた。 四十数年ぶりに見ても、「未来少年コナン」は名作のまま、僕を楽しませてくれた。 アニメに限ったことではないが、作品を面白いと思うかどうかは、発表された当時の社会情勢(文化や科学の発展の程度とか人々の暮らしぶ…

聲の形

聾唖者を主要キャストに配したアニメはあまりないのだろうが、説教臭くならず、出来は悪くない。 ただ、ほとんどの登場人物が美男美女なのはどうかとは思う。逆に主人公がそうでないのが珍しいというか、それが狙いなのか。

松山英樹

先日、マスターズで日本人で初めて優勝した。 何年も海外を主戦場にしながら、優勝スピーチが日本語だったのには驚いた。それに、通訳に促されて、大会関係者への感謝のスピーチを追加したのを見ると、ああ、この人はゴルフが好きで、ゴルフの試合で勝つため…

紙鑑定士の事件ファイル 模型の家の殺人

主人公の紙に対する知識や土生井のジオラマに対する蘊蓄が、仕事小説のように読者の興味を刺激するため、一見中身が詰まった小説みたいに思えるけれど、それらのほかは文章の拙さ(そう言って悪ければ、文章の深みのなさと言い換えますが)を含めて、この小説…

上野駅公園口JR

真っ先に思ったのは、タイトルは「池袋ウエストゲートパーク」(池袋西口公園)をマネたんじゃなかろうかということ。ただこれは、読み始めたら特に気になることはなかった。 次に思ったのは、なぜこの作品が全米図書賞を受賞したのかということ。その賞がどう…

天気の子

それほど面白くなかったので、なぜなんだろうと考えてみたら、もともと新海誠監督作品にそれほどの思い入れがないから、面白くなくて当たり前なのだと気づいた。 「君の名は。」は観た。「秒速5センチメートル」と「言の葉の庭」もどちらか、もしくはどちら…

ガラスの動物園

何が面白いのか分からない。1944年に上演されたので、そのときは面白かったけど今はそうではないということなのだろうか。 つまらないというわけでもなかったので、「欲望という名の電車」も読んでみたい。