上野駅公園口JR

真っ先に思ったのは、タイトルは「池袋ウエストゲートパーク」(池袋西口公園)をマネたんじゃなかろうかということ。ただこれは、読み始めたら特に気になることはなかった。

次に思ったのは、なぜこの作品が全米図書賞を受賞したのかということ。その賞がどういう作品を評価するものか知らないが、たぶん

ホームレスと天皇制と東日本震災が本作のテーマだからだろう。

本作を書くに当たって、柳美里が取材に時間をかけたであろうことは想像できる。本作に限らず、また柳美里に限らず、作家が小説を書くために多くの時間とそれなりのお金をかけることは多いだろう。昔の文豪たちは自分の経験や身の回りで起きたことを参考に作品を書いていたように思う。最近の作家は大変だ。

あ。肝心の感想だが、まずまず面白かった。と、偉そうに言うのも恥ずかしいが、やはり作家の文章は美しいなあと、思えるところがいくつもあった。