気候変動問題

気候変動問題の解決は大事だ。対策を怠ると、海抜の低い島国が海に沈んだり、砂漠が拡大したり、さまざまな問題が発生する。解決のための取組はすぐに実施しなければならない。

が、それより重要な問題があると思っている。化学物質だ。例えばマイクロプラスチックやPFASなど、最近は危機意識をもった新聞記事も目にする。気候変動で島がなくなっても、砂漠に国土が侵食されても、極論を言えば別の場所に住めばよい。無論それは簡単なことではないが、少なくとも気候変動で海や土が汚染されることはない。しかし、化学物質の廃棄や漏洩は、海や土や空気を汚染し、百年、二百年、場合によっては何万年も分解されずに自然界にとどまる。そして、人間を含む動植物のからだに蓄積していく。自然界に拡散した化学物質も動植物が取り込んだ化学物質も決してなくなりはしない。人間も他の動植物も健康を害する。治ることのない病をもつ。

海の水を浄化したり、土壌を洗浄する機械ができることを夢見る。しかし、そんな機械が完成することはないだろう。

汚染物質を回収することは極めて困難である。いま以上に増えることを防ぐしかない。対策が1年遅ければ1年分の汚染が何万年も残るのである。