虚談

京極夏彦の角川文庫。

どの作品も会話のやり取りが面白い。言葉の選択やリズムなどいかにもありそうでいながら、おそらく現実でこんなに面白い会話が成立することはない。言ってみれば、一流の漫才師かコント師が練りに練った会話劇のようである。

「ベンチ」は例外的に会話が少ないし、他の作品より怪異や綺譚度が低いけれど、逆に、だからなのか別の意味で、つまり現実的な怖さがあったのでした。