昨日、ヤクルトの村上が55号本塁打を打ち、王貞治の記録に並んだ。
ちなみに歴代記録は
1位60本 バレンティン(ヤクルト)2013年
2位55本 王貞治(巨人)1964年
ローズ(近鉄)2001年
カブレラ(西武)2002年
村上宗隆(ヤクルト)2022年
6位54本 バース(阪神)1982年
思い出すのは、バースにしろローズにしろカブレラにしろ、54号を打ったあたりから、相手投手がことごとく勝負を避けたことだ。王貞治の記録に外国人選手を並ばせてはいけない、あるいは超えさせてはならないという暗黙の、かつ強力な空気が野球界にあった。それがなければ、バースもローズもカブレラも間違いなく55本を抜いていただろう。
そして、その空気を当事者の王貞治は掻き消すことをしなかった。あまつさえ、自らが監督として指揮をとる試合で、自軍のピッチャーが、ローズだったかカブレラだったか(たぶんカブレラだった気がする)と勝負を避けたときただ黙って見ていた。
王は1982年は巨人、2001、2002年はダイエーの監督だった。「プロだったら思いきって勝負しろ。そして、抑えて見せてみろ」となぜ言えない?
人間の器がちっちゃいなあと、ただその一点で王貞治のことがちょっと嫌いになった。おそらく王貞治はその他の多くの点で優れた人格者なのでしょうけれど、ただその一点が。