VIVANT

★★★★⭐

びっくりする展開の連続で面白かったのだが、びっくりさせることがこのドラマの一番の狙いであって、なんていうか、深みとか綾とか機敏みたいなものはほとんどない。けど、それが潔くてよい。ビックリしたでしょ?面白かったでしょ?と、畳み掛けてくるエンターテイメントである。

じっくり見るとたぶんいろんなとこにボロが出てくる。たとえば、最終話で乃木憂助がベキと部下の2人を射殺するけど、急所をわざと外すことができる腕前の憂助がなぜそのときは外さなかったのか。答えは簡単だ。それは、その方がストーリーとして面白いからである。合理的に考えれば、殺す必要はまったくないけれど、ドラマ的には殺したほうが盛り上がるから殺した。ただそれだけ。

といったことが、このドラマではどきどき見られた。けれど、あれ?なんかおかしくない?と思わせるスキを与えずどんどん話を進めて、視聴者は疑う余裕がない。それなら僕たち視聴者は、びっくりさせられましょう、面白がりましょう、と楽しむだけである。