きのう、第81期名人戦第5局で藤井聡太竜王が渡辺名人に勝った。
おそろしく強い。過去の名人と比べても歴代最強と言えるかもしれない。それくらい強い。でも、たぶんAIには負ける。が、それがなんだ。100m競争を例にすれば、人間がバイクや車を相手にして負けるようなものだ。人間が機械に負けるのは当たり前なのである。そもそも、100mを機械と競おうという発想すら必要ない。人間が人間と競ってこそ意味があり、そこにドラマが生まれるのである。
★★⭐⭐⭐
「11文字の檻」の一編目。
JR福知山線脱線事故が出てくる。事故としての重さが小説に使われることを許さない気がする。ミステリーとして必要な要素でもない。なのになんでと思って巻末の「著者による各話解説」を読めば、元々は9人の作家が平成に起きた事件や出来事を題材に短編を書くという企画本の一編だったということだった。
ということはどうでもよく、言いたいことは別にある。作中、主人公が入った喫茶店で、スキマスイッチの「全力少年」が流れる。特にストーリーに関係するわけではない。そして、本を読んだあと、僕は用事があって車で外出した。すると、つけっぱなしのカーラジオから「全力少年」が流れた。今日、たまたま読んだ小説とたまたま聴いたカーラジオの両方で「全力少年」!シンクロニシティである。
こういうことは僕にはわりと起こる。そして、それによってなにか神秘的なことが起きるようなことはまったくない。いつも、ない。ほんとにムダな偶然である。
★★★⭐⭐
村上春樹の短編集。文庫で出たので買った。30年前は新刊が出るのが待ち遠しかったというのに、今は新刊を買わず、文庫が出るまで待っている。
いまになって思えば、村上春樹の長編は、ギリギリ「ねじまき鳥クロニクル」まで読めば、あとは読まなくたっていい作品だった。そう、「1Q84」だって読まなければならない作品ではなかった。いまになって思えばだけど。
ちなみに、「羊をめぐる冒険」と「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」は大傑作。初めて読んだ村上作品が「羊」だったけれど、なんというか自分の中の小説観がひっくり返るほどの衝撃でした。小説ってこういうものだという認識は、たとえば森鴎外だったり芥川龍之介だったり太宰治だったり、そこらへんにあったのだけど、「羊」を読んだとき、え~、こんな小説があっても許されるんだ、と驚いたものです。それから、村上作品は出ればすぐ買うという感じでしたが、「羊」と「世界」を越える作品は出なかった。
で、今回の短編集ですが、村上春樹の短編はまだまだ面白いという印象です。長編が結構前から面白くなくなったのに対し、短編はまだまだイケます。収録された一つひとつの作品について感想を書くのが面倒になったのでこれで終わりますが、またいつか面白い長編を書いてくれたらうれしいなと思います。
ちゃんと観れたのは準決勝メキシコ戦だけでしたが、この試合の素晴らしさといったらもういつ以来のことか思い出せないくらいいい試合だった。それまで不振だった村上が逆転サヨナラのヒットを打つなんて、泣きそうになりました。
一次ラウンドから一度も出場してないのは宇田川くんだけのような気がします。彼が投げる姿を見たかったですが、栗山監督もリスクを犯せなかったのしょう。もちろん監督も彼の可能性を信じても召集はしたのでしょうけれど。3年後に期待します。がんばれ宇田川。
あと、忘れてはならないのはダルビッシュだ。試合の中では輝けなかったが、食事会を設けたり、自分の持ち玉を惜しげもなくほかのピッチャーに伝授したり、チーム作りに一番貢献したのは彼だろう。優勝したとき、栗山監督のあとにみんなから胴上げされたのは、彼が功労者であることをみんなが分かっていたからだ。
★★★★⭐
いやもう面白かった。
バカバカしい話をマジメにドラマに作り上げたといった感じです。バカな話だからといって手を抜いて作ってたら、こんな面白いドラマはできません。
傑作と言っていいと思います。