短編小説

昔買った小林恭二の短編集を引っ張り出して読んだのは一月以上も前のことで、もともと記憶力が悪い私はその本のだいたい全部を忘れてしまった。覚えているのは、作者の知り合いで俳句の先生か先輩かなんかだった人の話と作者の父親の話の二つだけで、しかもその二つとも、覚えているというよりは「面白かった」という印象が残っているだけである。作り話より実物の人間を書く方が面白いんだなとその時思ったことは覚えている。