2022-01-01から1年間の記事一覧

クール・ランニング

★★★★★ ただただ楽しい。笑って泣いて清々しい気持ちになるいい映画。 この映画はどちらかと言えばコメディ寄りのドラマで、泣く人はそんなにいないと思うけど、高校生の孫が夏の大会で負け試合の9回に代打でヒット打って、おばあちゃんが、よく3年間がんば…

世にも奇妙な物語22夏

TV

オトドケモノ ★★★★☆ 異空間に閉じ込められて終わりかと思えば、そっからが実は本番。ゆかりが外に出てオチがついて面白かったと思ったら続きがあって、そこは要らなかったかもしれない。 何だかんだ銀座 ★★☆☆☆ オチが可哀相。 メロディに乗せて★★☆☆☆ オチが…

竜とそばかすの姫

★★★☆☆ ストーリーはどこにでもありそうなモノだけど、そこにダメ出しするつもりはなく、ただ演出を失敗しているなあという印象。 例えば、竜が誰なのか分からないときそれって忍くんじゃねって観てる人は必ず先読みするはずだからその勘違いは早めに解消して…

ショーシャンクの空に

テレビに録画していたのを観ていたら、1時間45分経ったところで録画が終わった。仕方がないので、TSUTAYAでDVDを借りて続きを観た。 真犯人を探して復讐するかと思った自分が恥ずかしい。心が洗われるようないい映画です。ふつうそんな映画は胡散臭いはずな…

掃除婦のための手引き書

短編集というよりは、短編の寄せ集めである。仮に、飛行機や新幹線に乗っている間の暇潰しに買った雑誌に、この作者の短編が一作載っていたなら、面白く読めただろう。けれど、そんな雑誌を何十冊も抱えて飛行機に乗るのがバカらしいのと一緒で、ときどき少…

2019ザ・ベストミステリーズ

「東京駅発6時00分のぞみ1号博多行き」(大倉崇裕)と「くぎ」(佐藤究)の二作品が面白かった。 競馬で例えると、この2作品が写真判定で、3着以降は3馬身以上離された団子状態といったところ。

グランド・ブダペスト・ホテル

ウェス・アンダーソンは『犬ヶ島』しか観てなくて、『犬ヶ島』も傑作だけど、『グランド・ブダペスト・ホテル』も傑作だった。 短いカットの連続による流れの早い展開。なので、ボーッとしてたらセリフの意味を理解する前に次のシーンになってしまう。うかう…

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組

作風はベタだが、とても面白い。例えば、ラーメンズの小林賢太郎が好きだけど、たまに志村けん見たら面白かった、みたいな面白がり方である。 ちなみに私は志村けんのコントは面白いと思わない。どころか、生理的に嫌いである。志村けんは素のほうがいいと思…

小説の惑星 ノーザンブルーベリー編

順位をつけるとすれば、 1位 工夫の減さん(町田康) 2位 杜子春(芥川龍之介) 3位 休憩時間(井伏鱒二) 4位 賭けの天才(眉村卓) 5位 ヘルメット・オブ・アイアン (一條次郎) なお、「先導獣の話」(古井由吉)は、1ページ目で読むのを諦めた。代表作の「き…

渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

30年くらい前、大阪で仕事をしていた時期がある。仕事が終わるとよく道頓堀に遊びに行っていた。パチンコしたり飲み屋に行ったり。たまに映画も観た。作中に角座という芝居小屋が出てくるが、僕の知っている角座は映画館だった(ような気がする)。 記憶がはっ…

知恵出ず

門井慶喜の読売新聞連載小説が完了した。 面白かった。 でも、なぜ徳川慶喜と同じ名前なんだろう。

ウィル・スミス

先日のアカデミー賞授賞式で、妻をからかわれたウィル・スミスがからかった相手を舞台上で平手打ちした。ウィル・スミスは主演男優賞を受賞したものの、アカデミーは彼を10年間出禁とした。 ウィル・スミスは主演男優賞を受賞したのだから、10年間出禁を食ら…

小説の惑星 オーシャンラズベリー篇

伊坂幸太郎が面白いと思った短編を集めたとのことだけど、なかにはこのどこが面白いのだろうと悩むものもある。 私が面白かったのは、大江健三郎の「人間の羊」と、もうひとつあって、これは面白いと実は言いにくい、なぜかというと、「へえ?こんなのが面白…

掟上今日子の備忘録

今日子さんは読んでいてキュンとくるけど、ミステリーとしてはそれほどでもないなと読み進めると、第五話(この本の最終話)で俄然面白くなる。が、第五話はミステリーっぽいけれどミステリーではない。ミステリーというのは、ストーリーのどこかにヒントを忍…

プーチンが戦争を始めた

2月24日、ロシアがウクライナに侵攻した。 これまでも世界のどこかではいつも紛争が起きていて、それは気持ちのよいものではないにしろ、自分に直接関係のあることではないような気でいられた。しかし、今回はなぜか不吉な予感がする。それが的外れであって…

新選組の料理人

どう読んだらいいのか悩み悩み読んだけど、最後まで方向性を見つけられなかった。どういうことかというと、例えば表題作の「新選組の料理人」では、火事で逃げた奥さんから連絡がこないのはきっと何か理由があって、それがハッキリしたときに涙を誘う、そん…

残月記

新聞とか雑誌の書評で激賞されていたので買ったのだが、あとで思い起こしてみると、それらはみな大森望が書いていた気がする。大森望という人がどんな人なのか知らないが(たぶん文芸評論家なのだろう)、作者の小田雅久仁という人も全く知らないので、あとで…

短編小説

昔買った小林恭二の短編集を引っ張り出して読んだのは一月以上も前のことで、もともと記憶力が悪い私はその本のだいたい全部を忘れてしまった。覚えているのは、作者の知り合いで俳句の先生か先輩かなんかだった人の話と作者の父親の話の二つだけで、しかも…

砂川文次という人

芥川賞作家。 朝日新聞の「ひと」欄を見ると、この人は嫌な人なんだろうなと思う。 アゴヒゲを生やしている写真が載っている。アゴヒゲを生やしている区役所の職員というだけで、めんどくさい人だと思ってしまう。別に区役所の職員がアゴヒゲを生やしていて…

また会う日まで

朝日新聞掲載の池澤夏樹の連作小説が終わった。しっかり取材したと思われる労作である。